児童劇・練習のポイント

私、FUKUDAは長いこと脚本家として子どもたちの劇に携わってきました。
その結果、縁あっていくつかの学校で、子供たちの「劇」を実際に拝見する機会がありました。
どの学校でも、子どもたちの熱演に感謝し、また感動もさせていただきました。
・・と、同時に、この場面はこう練習して、こう表現すればさらにいいかな?と感じることもありました。もっともっと子供たちの劇の質を高めてあげたい。演じる楽しさを五感で感じ取ってほしいと思い、私なりに考えた劇のコツを、このページを見つけてくださった皆様にだけ
「児童劇・練習のポイント」としてお伝えします。

台詞の練習方法は?

学校で劇を発表する場合、体育館が会場となる場合が多いですね。ステージから見て体育館の向かい側の壁面に先生(舞台監督)が立って、子どもたちの台詞や動きををチェックしてあげましょう。必要な声量や、観客が分かりやすい台詞のスピードがつかめると思います。ただ、怒鳴り声のような声の出し方は禁物です。子どもたちの喉によくありません。
その子なりの努力と勇気を認めてあげましょう。

台詞はどこへ向ければいいの?

ドキドキしながらステージで一生懸命演じる子どもたち。それを見ているだけで観客は満足してしまいます。でも、お話の内容があまり伝わっていないこともよくあります。もったいないですね。
「劇」の場合、スピーカー(話し手の声)が、真正面にいる人物にだけ向かっていると、観客にはよく聞こえません。「え~?何を言ってるのかな?まぁいいや。状態」である場合があります。
一生懸命練習したんだろうなぁ・・あぁ・・もったいない。もったいない・・。
観客に伝わるセリフはどう練習したらよいのでしょう?
それは、台詞を観客に分かりやすいように「工夫」して発することです。
たとえば、体の向きを考えたり、長い台詞の終点を観客に向けることなどです。
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例1:間宮林蔵とその従者との会話(タピオカ・ツンドラⅢより)
従者4「間宮様・・もう、ここらへんで江戸に引き返しましょう。」
間 宮「何を言う。恐れ多くも上様より直々に賜った蝦夷地探検の命令なるぞ。」
従者1「しかし、行けども行けども未開の地・・
黒文字は相手に向かって 青文字は観客に向かって 緑文字は体の向きを少し変えてなどです。

台詞がない登場人物は何をしたらいいの?

ステージに登場はしているけれど、台詞や決められた動きがない場合はどうしたらいいの?
ただ立っているだけではいけません。場面を考えてお話を盛り上げましょう!
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例2:空を飛んでいる教室にて(ギャラクシートレインより)
*C男、ドアを開け廊下に出ようとする。
C男「あ~っ!」
*教室にいる6年生たち、C男に注目する。
*C男振り返って、ドアをバタンと閉める。
*6年生たちびっくりして顔を見合わせる。
A男「どうした○○くん。」
C男「きょ・・教室が・・空を飛んでる!」
*6年生全員、廊下側の窓にかけ寄り、外を見る。
青文字のように台詞のない登場人物が自然に物語の内容に反応すると、観客の意識も「何ごとか?」と引き込まれることでしょう。

衣装はどうしよう? 例3:てんぷく丸東へ!(ちょんまげと羽織の作り方)

劇を楽しく演じる上で子どもたちが着る「衣装」は、重要なカギを握ると思います。
私が現役の教員で児童劇に取り組んでいる時期は、お母さま方がたくさん応援してくださいました。鎌倉の有名なお寺のご住職が本物の羽織袴を無償で提供してくれたこともあります。感謝!
しかし、頼ってばかりではいけません。子どもたちのアイデアしだいで必要な衣装や小道具をそろえたり手作りすることもできます。むしろ劇つくりが楽しめるかもしれません。

まだまだお伝えしたいことはたくさんあるのですが本日のポイントはここまで!
続きは後日。

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